今から5年前、2017年の2月マウンテンバイクを盗まれた。
ヤフオクで中古の安いドロドロサビサビのフルサスMTBを買って掃除して、ショックやチェーン他、直せる所は直してエンドバー付けたりスパイクタイヤ買ったりして乗っていた物だ。
雪の中駅までの通勤にも使っていて、楽しませて貰って居たのだがある日、駅の駐輪場に行くと跡形も無く自転車が消えていた。
その何日か前ライトだけ盗まれていたので、駐めたときはライトを外して持ち歩くようにしていたのだが自転車本体を盗まれてしまった。
今もライトだけ寂しく手元に残っている。
盗まれる何日か前、駐輪場に何をするでも無く佇んでいる男を目撃しているので、間違いなくそいつが犯人だと勝手に睨んでいる。
トボトボと歩いて交番まで行って、どうせ出てきませんよと言う若干面倒臭そうなお巡りさんに被害届を書かされたのを今でも覚えている。
マジな自転車乗りの友達によると、おそらくバラバラにされてネットで売られたんじゃないかとのこと。
しばらくはメルカリやヤフオクなんかで同じ自転車が出品されていないかチェックしたりもしていたのだけど、日が経つにつれてそんなのも忘れてすっかり諦めていた。
そして約5年後の昨日。
仕事帰りに近くのホームセンターで欲しいものがあって寄ったら、それはそこにあった。
5年前の姿とは違ってサビサビになった俺の自転車が。
えー、めっちゃ近くにあったじゃん！
と言うのが最初に思ったこと。
さて、これはどうしたもんかと言うのが次に思ったこと。
まずは近くの交番に電話した。
何年か前にそちらに盗難届を出している自転車が目の前にあるんですが。
場所を伝えて、今からそちらに向かいます、とのことで待っていたがなかなか来ない。
その間に持ち主（いや、持ち主では無い！盗っ人）が来たらどうしよう、とか、力ずくで逃げるのを阻止しないといけないが運動不足のおっさんで太刀打ち出来るのか、なんて考えていたらのんびりお巡りさんがやってきた。
お巡りさん（以下お）：○○さんですか？この自転車ね？。
私（以下わ）：はい、そうです。
お兄ちゃん登場（以下に）：あれ～、その自転車僕のなんですけど(ﾟдﾟ)
わ：（いや、おまえのでは無い！）え～～～～、これ俺が何年か前に盗まれた自転車なんだよね。
に：え～～～～～！
お：え～～～と、ちょっと事情聞いて良いかな？（「に」に向けて）
に：お父さんが友達から貰って来た自転車なんですよね。
わ：（おいおい）
お兄ちゃんはそのホームセンターで働いていたバイトの男の子だった。
なんてやりとりがありながら、買った後のレストア中にたまたま撮っていた車体番号の写真も私のスマホの中から見つかり、当該車両と一致したので間違いなく自分の自転車と確定。
に：なんだか知らなかったとは言え、申し訳ありません。
わ：いやいや、お兄さんが盗んだわけじゃないんでしょ？知らなかったんなら仕方が無いよ。（サビサビにしやがって！もっと大事に乗っとけよ、ｺﾞﾙｧ）
と話したりしている間に、お巡りさんは無線で色々確認したり、私が確認されたりしながら小一時間。
お兄ちゃんは自転車を貰って来たという父親に何回も連絡を取ろうとしている。
なんとか連絡が取れたようで、今からこちらに向かうとの事。
私は自宅と携帯の電話番号や勤務先を聞かれた後、当該自転車は捜査の為に警察でいったん預かります、今すぐお返しという訳には行きません、と言われなにか進展があったら連絡するとのことで解放された。
家に帰ってしばらくすると先ほどのお巡りさんから連絡があり、1時間半後くらいに自転車を持って行きますと連絡が入る。
取りに行くつもりでもいたので、持ってきてくれるとは有り難い。
肝心の犯人に関しては、連絡が来たときに聞いていた。
お兄ちゃんのお父さんは友達に貰った。
その友達は友達に貰った。
その友達も友達に貰った。
その友達も友達に貰った
（中略）
ゲーセンで良く会う名前の知らない奴に貰った（嘘つけ！）
とまあ、こんな感じなんですがそれで良いですか？とお巡りさんに言われたので半笑いで、ええ、戻って来たんで良いですよ、ボロボロになってたけど。と言って了解した。
一応指紋の採取もしてくれたらしいけど、お兄ちゃんの指紋しか出ないだろう(笑)
そんなわけで、サビサビボロボロにはなっていたものの、忽然と姿を消したマイ自転車が5年ぶりに戻って来て、こんな奇跡みたいな事は今まで自分に起きた事がないので、一生分の幸運を使い切ってしまったのでは無いかと心配している今日この頃。
おしまい。
