「HappyBox」を読みました。
「伊坂幸太郎」で検索して図書館で借りたので、短篇集だとは知らずに読んだのですが、楽に読めて良かったかな(^-^)
- 作者: 伊坂幸太郎,山本幸久,中山智幸,真梨幸子,小路幸也
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2015/11/09
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (1件) を見る
この「HappyBox」、
ペンネームに「幸」の付く五人の人気作家が、「幸せ」をテーマに紡いだ小説アンソロジー。
なんだそうです。
登場する作家さんは、
伊坂幸太郎
山本幸久
中山智幸
真梨幸子
小路幸也
の五人の方々。
伊坂幸太郎さん以外は読んだ事がありませんでした。
では、早速掲載順に。
Weather 伊坂幸太郎
天気に詳しい「大友」が友人の「清水」の結婚式に出席した時の「幸せ」なお話。
なぜ、大友が天気に詳しくなったのか、どこでHappyな瞬間が訪れるのか、伊坂作品らしく伏線とサプライズがたまりません。
真正面からの幸せ、悪く言うと若干ベタな幸せですが、思わずホロッときちゃいました(^^)
天使 山本幸久
福子は77歳の超大ベテランのスリ師。
自分と、自分に取っての天使と、自分の生い立ちと重なる姉弟とのお話です。
決して微笑ましい結末でないですが、福子さんにとっては十分幸せで、もしかすると望みもかなったのかもしれません。
何度か結末部分を読み返しちゃいました。
ふりだしにすすむ 中山智幸
自分の「生まれ変わり」と名乗る老人「いしかば」と「その生まれ変わられ」のOLのSF調のお話です。
だけど、SFなのかな?偶然なのかな?
輪廻転生なのか、ただの偶然なのか最後までよくわからなかったのです(^^;)
何回も読み返しました。
楽しくて、ちょっと悲しいけど、出てくる人たちはみんな幸せでした。
「いしかば」みたいに歳を取って、死んでいけたら良いなぁと思いましたね。
ハッピーエンドの掟 真梨幸子
小学生の「アイコ」と「チエ」のお話。
読み終わってタイトルをもう一度見直したら、「あ、なるほど!」と思いました。
読んでもあんまり幸せな気分にはなれないです(笑)
若干ホラーかも。
でもこの短篇集の中で、一番他の作品を読みたいなぁ~と思った作家さんですね。
この中で、唯一異彩を放っています。
幸せな死神 小路幸也
最後に幸せな気分になれて良かったです(笑)
死神と言えば、伊坂幸太郎さんの「死神の精度」が思い浮かんで、「あれ?カブッてる」とも思ったんですが、死神の定義も違っていて面白いです。
死神と、ひょんな事から死神と「契約」してしまった、広告会社に勤める「榎本帆奈(えのもとはんな)」とのお話です。
死神がとても優しくて切ないです。
死神が言う台詞なんですが、
不幸は人の心に突き刺さりますが、本当の幸せはただそっと寄り添うように訪れる。
だから気づかないけど、人間は毎日毎日幸せに触れている。
死神なのに(笑)すごく良い言葉だな~と思って、それだけで良い気持ちになれました。
北海道在住の作家さんなんですね。
この方も他の作品読んでみたいと思いました。